皮下組織吸引法とは?
皮下組織吸引法とは、脇に数ミリの穴を開け、そこから脂肪吸引等に使用するカニューレという細い管を差し込み、アポクリン腺を吸い出す治療法です。
剪除法のように皮膚を切開せず、脇に小さな穴を開けるだけなので、傷が小さくてすみます。
また術後のダウンタイムが短いのも特徴です。[br num=”1″]
ただ医師の目視でアポクリン腺を取り除くわけではないので、ニオイが完全に消えるわけではないのが最大のデメリットと言えます。
ワキガの軽度〜中度の方にオススメの治療法です。
今回は、皮下組織吸引法についてのメリット・デメリットを中心に、施術法やよくある疑問点など詳しく解説していきます。
施術方法
治療時間は30分〜1時間程度です。
ワキガ治療法の中では短い方です。
続いて治療の手順です。
1、脇に局所麻酔を打つ。
2、麻酔が効いてきたら、脇の下に1cm程度の小さな切り込みを入れる。
3、その穴からカニューレという細い吸引器を入れ、皮膚の下にあるアポクリン腺を掻き出しながら吸い取っていく。
4、取りきったら、カニューレを抜き、傷口を縫い合わせガーゼで固定する。
費用はいくら?
基本的には保険適用されないため、自費になります。
ただ中には保険適用されるクリニックもあるようです。
保険適用ありの場合は、5万円台です。自費の場合は15万円〜かかります。
クリニックによって金額の差が生じますので、問い合わせしてみる事をオススメします。
メリット・デメリットを比べてみましょう
● 傷跡が残りにくい。
(カニューレという細い管を入れるための穴を開けるのみなので、傷跡が小さくすみます。よって傷口がほとんど目立ちません。また色素沈着も起きにくいです。)
● 手術中や術後の痛みが少ない。
(手術中は局所麻酔を打つため、注射のみの痛みですみます。)
● 手術時間が短いため、体への負担が軽く済む。
● 術後の回復が早い。
(傷口が小さい事もあり、術後の回復も早く済みます。脇を濡らさなければ、当日にシャワーも浴びる事ができる程です。)
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(医師がアポクリン腺を目視せずに手術するため、アポクリン腺の取り残しの可能性があります。
また皮下組織にしっかりとくっ付いたアポクリン腺はこの治療法では、十分に取り切れない場合があります。
よって取りきれなかったアポクリン腺により、臭いが残ったり再発する場合があります。)
● 保険がきかないため治療費が高額。
● 重度のワキガの方には向かない。
(重度のワキガの方は、ワキガの原因であるアポクリン腺がしっかり皮下組織にひっついている事が多く、この皮下組織吸引法では取りきれず、臭いが残ってしまう可能性が高いのです。)
● 脇毛が残る。
(脇毛が残るので、脇毛を残したい男性の方には適しています。残念ながら、ワキガ治療と一緒に脱毛もと考えている方の希望には添えません。)
● 多汗症の効果は期待できない。
(皮下組織吸引法では、アポクリン腺よりも深い真皮層にある、エクリン腺は取り除く事ができないため、多汗症は改善できません。)
日常生活への影響
● 手術の当日もしくは翌日からシャワーを浴びる事が出来ます。入浴については、術後1週間で可能です。
● 術後1週間程で軽く運動ができます。
よくある質問・疑問
ニオイは完全に消えないの?
皮下組織吸引法では、医師の目視なしで吸引するため、確実にすべてのアポクリン腺を取り除く事は難しいとされています。
よって、術後しばらく臭うことはありませんが、徐々に残ったアポクリン腺が活動し始め、臭いが再発する事があります。
手術中や術後の痛みはあるのか?
わずかな穴を切開しますが、手術前に局所麻酔を行うため無痛状態で手術を行う事ができます。
術後も、腕を激しく動かさなければ痛みを感じる事はありません。
まとめ
皮下組織吸引法は、傷跡が小さい、ダウンタイムが短い、手術時間が短く入院の必要がないなど、様々なメリットがある反面、効果についての心配点も挙げられます。
重度のワキガの方にはあまりオススメとは言えませんが、軽度〜中度くらいの症状の方には良い治療法なのかもしれません。
ですから重度のワキガの方、確実にワキガを治したい方には、確実にニオイが消える剪除法など他の治療法をオススメします。