”ワキガ”=”多汗症”だと思っていませんか?

ワキガと多汗症は同じだと思っている方が多いですが、
ワキガと多汗症は全くの別ものです。


どう違うか分かりやすく説明しますと、
ワキガ→アポクリン腺から出る汗で、独特なニオイがする。
多汗症→エクリン腺から出る汗によるもので無臭。また大量の汗が出る。

違いは臭いがするかどうかもそうですが、根本的に汗が出る場所が違うのです。

人間には汗を分泌する汗腺が2つあります。その2つがアポクリン腺エクリン腺です。
この2つの汗腺は、汗の特徴から分布場所、臭いまで全く異なります。

今回は、勘違いされやすいワキガと多汗症の違いを、汗腺の話も含め、比較しながら詳しく解説していきますね。

ワキガと多汗症の違いを比較してみましょう

ワキガ

ワキガとは?

脇の下から強烈な刺激臭を放つ症状の事を言います。ほとんどの発症原因が遺伝によるものです。

日本人の10人に1人はワキガ体質だと言われています。
軽度だと脇を直接嗅げば臭うくらいのもので、他人に気づかれない程度で済みますが、重度のワキガだと本人が去った部屋でも臭いが残るほどです。

また発症時期が思春期の頃が一番多く、果敢な時期でもあります。
最近の中高校生の間では”ワキガ”というワードがいじめの対象になっている程なので、親御さんも十分注意が必要です。

どんな汗?

人間の2代汗腺である、アポクリン腺から汗を放出します。
汗自体は無臭ですが、アポクリン腺から放出する汗には脂肪やタンパク質が含まれています。その成分入りの汗と、皮膚表面に存在する常在菌とが混ざり合いあの独特なワキガ臭を放つのです。汗の特徴として、粘り気のあるネバネバした汗です。

汗をかく場所

脇の下。

原因

遺伝による発症がほとんどです。

臭い

強烈な臭い。例えるなら、玉ねぎのツンとした臭い、チーズなどの発酵臭、鉛筆の芯のような臭い、香辛料の臭い。

治す方法

ワキガを予防したり、多少の改善策はありますが、完治するには手術がオススメ。従来のメスを入れて治す治療法から、メスを入れないレーザー治療法など手術方法は様々です。ただ保険がきかない事が多いので、治療費が高額です。

多汗症

多汗症とは?

多汗症とは臭いのしない汗が大量に分泌される症状の事を言います。
また暑さや運動によって汗をかくのではなく、原因不明で大量の汗をかきます。
ほとんどがストレスなどの精神性発汗によるものです。

多汗症で悩む方は多く、何と日本人の7人に1人は多汗の症状を自覚しているほどです。
また多汗症と汗っかきの判断が難しく、病気である事を気づいていない方も多くいます。

症状がひどくなると、汗により書類やノートが破れたり、手から汗が滴り落ちるほどの症状になる事もあります。

中には、人前で汗を大量にかく事に恥じらいを感じ、どんどん引きこもりがちになり、うつ病や対人恐怖症になる方もいるくらいです。

どんな汗?

エクリン腺から放出した汗で、無色透明のサラサラした汗です。
汗の成分は水分99%、塩分1%で、臭いはありません。

汗をかく場所

エクリン腺は全身の皮膚に存在しているので、脇下意外にも、手のひら、足の裏、額や顔など様々な場所から汗が出ます。汗の出る場所は個人差があります。

原因

ほとんどが、精神的なストレスや神経的なものによって起こると考えられています。
他にも、ホルモンバランスの崩れ、食生活や睡眠などの生活習慣の乱れ、体質、代謝異常などの疾患を患っているなど様々な原因により交感神経系が崩れ大量の汗を放出する
のです。

また多汗症には、緊張やストレスからの一時的な多汗症と、元々の体質で持続的な多汗症の場合との2種類があります。

例えば大勢の前でスピーチする場面だと、失敗に対する恐怖や、初対面の人の前での緊張感など、まさに不安要素の塊ですよね。そうなると交感神経が反応し(交感神経は発汗作用がある)、発汗するのです。

そして多汗症になりやすい人の特徴として、太っている人や、緊張しやすい人、一生懸命な人、完璧主義者である人等、根本的な性格が真面目な人に多い傾向があるようです。

臭い

基本的には無臭ですが、汗臭い臭いを感じる事もあります。他にもカビや雑巾のような臭いにも例えられています。
ただワキガの強烈な臭いとは比べものにならない程度の臭いです。

治す方法

専門医での治療。ボトックス注射で汗の分泌を防ぐのも効果的です。ただボトックス注射は定期的に打つ必要があります。
他に塗り薬や漢方もあります。

また精神的要因で多汗症を患った場合は、心理療法による治療がオススメです。
「自律神経訓練法」という方法が効果的で、交感神経と副交感神経の働きを正常に促す治療法です。

多汗症でも人それぞれ原因が違ってきますので、自分がどういう事にストレスを感じているか、不安に感じているかを突き止め、改善策を探る事が大切です。

ワキガと多汗症の見分け方

ワキガか多汗症かを見極めるのは、一番分かりやすいもので言いますと、
臭いのない汗が沢山出ている。→多汗症
独特なキツイ臭いがする。汗が出ていなくても臭う。→ワキガ

です。

他にも、下記の項目に一つでも当てはまったら多汗症ではなく、ワキガである可能性大です。
1、親族にワキガ体質の人がいる。
2、衣類の脇が黄ばんだり、白い粉がつく。
3、耳垢が湿っている。
4、自分で自分の臭いに気付く、又は他人から臭いを指摘された事がある。

ワキガと多汗症の両方を併発しているパターンも多い

ワキガと多汗症を同時に患っている方は沢山いらっしゃいます。
その場合ワキガの臭い対策と、多汗症の大量の汗対策を同時にしなくてはならないのでとても大変です。

両方併発している方は、エクリン腺とアポクリン腺の両方発達している人と言えます。

多汗症は何度も申し上げた通り、エクリン腺から放出される汗なのでサラサラしています。
サラサラした汗は皮膚に広がりやすいので、ワキガの原因であるアポクリン腺から放出された汗と混ざり合いやすくなります。
結果エクリン腺から出た大量の汗と、アポクリン腺から出た臭いの汗が合わさると、倍増した刺激臭が拡散されてしまうのです。
つまりワキガ単体の臭いよりも、多汗症と併発した方が臭い方が増すという事です。

また、エクリン腺から放出された大量の汗が脇に溜まり、細菌の繁殖を活性化させてしまう相互作用もあります。

治療法として、まずはワキガの原因であるアポクリン腺を手術で取り除き、そして多汗症の原因である精神的なストレスを軽減させる事です。

まとめ

ワキガと多汗症では、全くの別物だという事をお分かりいいただけたのではないでしょうか。
ワキガと多汗症では、原因も対策法も全く異なってきますので、正しい判断と対処法を行う事が大切です。